保栖春久 工務助役 昭和60年入社

若手にしっかり技術を伝え、今後も安全輸送実現へ。

手本を見せ、その作業は何のために必要なのかを理解してもらうことが、技術・技能の伝承につながる。

銀座線工務区で軌道保守(レール)を担当したのを振り出しに、その後東西線・千代田線工務区でも軌道を担当。長く軌道の不具合等の保守に関わってきましたが、軌道・土木の保守をはじめとする工務の仕事は理論だけではなく経験による知識が必要で、本当に奥深く難しいというのが実感です。例えばレールの1,2ミリのズレも見逃せませんし、レール下に敷設されているコンクリートが長い年月にわたって水と電気によって徐々に劣化する「電食」にも気を配っていかなくてはなりません。またレールは列車の通過トン数によって交換することが決められており、その数は7億トン。年数にするとおよそ30年ですが、それも日々の巡回によって保守がきちんとしていることが前提で、マニュアル通りでいいわけではありません。最初の頃は無我夢中でしたが、仕事を覚えるにつれこうした難しさを痛感し、またそこにこそ面白味を感じるようになったものです。
現在は工務助役として土木工事の監督や土木施設の管理等にあたっており、マネジメントでもっとも心がけているのは、列車運行や工事の安全確保です。とくに工事では「触車」といって列車と作業員が接触する事故の防止が安全上の一番の課題ですから、「KYT」活動を日々実践しています。「K」は危険箇所を指差し呼称するもので、「Y」はその予知、そしてトレーニングの「T」です。気を引き締める効果は非常に大きく、ゼロ災害を続行中です。
さらにマネジメントでは、仕事への意欲を高める動機付けにも気を配っています。土木工事の中でも専門性が要求される特殊な作業等は社員の役割ですから、その技術・技能を確実に受け継いでもらう必要があり、そのため、まずは私自身が手本を見せ、その作業は何のために必要なのかを理解してもらう工夫もしています。若手社員に確実に技術・技能を伝えることで安全輸送が今後も継続できるのですから、しっかり伝授すると同時に、意欲ある若者を出来るエキスパートへと育成していきたいです。